未遂だったがスリに遭う

ホテルを早く出て、王宮からスペイン広場へと「欧州右之さん歩」「ドン・キホーテとサンチョ・パンサの銅像」を眺め、写真を撮っていたら、未遂だったがスリに遭う。

気が付かないうちに、バッグパックのジッパーが開けられ、中の巾着袋を抜かれた。袋の中はスケジュール帳や手拭いで、取ってみたものの金目のものが無いので、「なんだ、つまらねぇ」と、放り出したらしい。

親切な観光客の人が追いかけてきて、開けっ放しのバッグパックを背負う間抜けな姿の私に「あなたのものでは?」と、教え届けてくださったので取り返すことが出来たが…

判らないように、背負ったバッグパックのジッパーを開けて、中から巾着袋を引っ張り出すとは、悪党ながらいい腕をしてると感心したが、冷や汗がドッと出たスペイン広場。

平成中村座スペイン公演 – 二日目

忙中有閑。カナル劇場の前に止まっている車のボディペイントの「BIMBO」が気になる。聞いてみたら、スペインでは有名なパン屋さんだそうだ。

もし日本に出店するなら、先ず社名を変えなきゃならないだろう。この車が忙しく走り回っていたら「BIMBO暇なし」だ。「貧乏」を看板の店じゃお客様は寄りつかない。そんな事を考えていたら、公演も間も無く「幕」で、お客様が出てらっしゃる。

平成中村座スペイン公演 – 初日

平成中村座スペイン公演初日が開いた。沢山のお客様に詰め掛けていただき、五軒長屋は終演後も大盛況で、店仕舞いがなかなか出来ず嬉しい悲鳴。片付けてから出るとなると、いきおい夜の食事が遅くなり、閉店間近の店に行くことになる。「ここのパエリアが旨い!」との評判を聞きつけ、お仲間が予約を入れて向かい、連中アレコレ注文するが……

『なにぃ、パエリアが食いてぇだと。冗談言っちゃいけねぇ。時間内に炊き上がる訳ねえだろう。こんな閉店ガラガラ間近に来て、勝手なこと言うんじゃねぇ』

判らないスペイン語で陽気に応対してくれたウエイターの旦那、本当は心の中で、そう思っていたかも。